毛は皮膚の組織の一部として存在しており、掌と足の裏を除いては、体のほとんどすべての部分に生えています。毛には「皮膚の保護」「体温の保持」「知覚」といったいろんな役割がありますが、人間の生活環境の変化に伴いあまり重要な役割を持たなくなってきたため、「ムダ毛」と呼ばれるようになりました。
■毛の構造
毛球:
毛の発育で最も重要な根っこの部分。毛母細胞はここで活発に細胞分裂し、上方に移動して毛を伸ばしていく役割を果たします。
立毛筋:
鳥肌が立つのはコレがあるから。自分の意思では動かせませんが、気温や環境により毛を立たせたり寝かせたりします。毛の発生に大きな役割を果たしているとも言われています。
エクリン腺・アポクリン腺:
エクリン腺は全身に分布。アポクリン腺は腋の下や陰部など特定部位に分布する汗腺。腋臭や体臭は、主にアポクリン腺から出る汗が分解されるときに発生します。
毛の周期
毛の周期は、「成長初期」「成長期」「退行期」「休止期」に分類されます。医療レーザー脱毛は生え変わる周期(毛周期)に合わせて処置しなければ、あまり効果が発揮されません。1回処置すればずっと生えないというわけではないのです。医療レーザー脱毛の特性として毛根を破壊できるのは「成長初期」「成長期」です。「退行期」「休止期」の黒い毛の無いところにレーザーは反応しないので、その部分は次に生えたときに処置します。部位や人によっても違いますが、約1.5〜2ヶ月程度間隔をあけて定期的に処置します。
毛が無い状態や、色が薄いとレーザーはあまり反応しません。毛抜きでの処理や脱色している方は、通常の状態に戻るまで待たなくてはいけないこともあります。剃毛した状態の処置は可能です。また、色黒の方、日焼けしている方、処置後1週間以内に海水浴などで日焼けの予定がある方、 肌の弱い方、アトピー性皮膚炎の方はドクターに相談してください。
毛とホルモン
男性の中にも、女性の約半分の女性ホルモンが存在しています。また女性にも、男性の1/10の男性ホルモンがあります。女性ホルモンは「エストロゲン」「プロゲステロン」、男性ホルモンは「テストステロン」に代表されるものです。これらのホルモンは女性、男性の特徴的な部分に影響を及ぼすため、「性ホルモン」といいます。男性が女性に、女性が男性に惹かれるのもホルモンの働きとされています。
人の毛には「無性毛」と「性毛」があります。無性毛とは性ホルモンにあまり影響されにくいと言われる毛です。四肢の毛は無性毛です。性毛は腋毛や陰毛の下部などで、男性女性問わず性ホルモンの働きに影響されて生えてくると考えられています。頭髪、髭、胸毛、陰毛上部、背中の毛は、男性ホルモンの影響を受け濃くなったり薄くなったりします。また男性型脱毛症や多毛は男性ホルモンの量によって起こりますが、男性ホルモン量が多くても毛髪が抜けない人、体毛が薄い人もいます。これは毛包の男性ホルモン感受性の違いによるものです。同じ人の体でも、部位によって毛包のホルモン感受性は異なり、人それぞれ体毛の生え方が異なります。
多毛症
女性や小児で、男性ホルモン(アンドロゲン)依存症の発毛がある場合を多毛症といいます。多毛といっても本数が増加するわけではなく、軟毛(産毛)が肥大化、もしくは硬毛へと変化していきます。多毛症は、原因不明の「特発性多毛症」と原因疾患を伴った「続発性多毛症」があります。特発性多毛症は約5割を占め、血液中の男性ホルモンは正常ですが、皮膚のアンドロゲン感受性が亢進しています。続発性多毛症は、特発性多毛症と病態が異なり、男性ホルモンが過剰に産生されます。原因として最も多いのは多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)で、多毛症全体の約4割。多嚢胞性卵巣症候群とは、小さな嚢胞が卵巣に多数出現し、黄体化ホルモンの異常分泌によって卵巣間質でのアンドロゲン産生が増加するという疾患です。その結果、多毛症を含め男性化の徴候が現れると考えられています。